国立医学部生masoの日記

思ったことをだらだら垂れ流します

容易に許容可能な別世界(今週のお題より)

今週のお題「SFといえば」

 

目の前の便利な箱で「SF」と打ち込むと、=空想科学と返ってきました。インターネットはこのように手軽に入力し手軽に結果が返ってくる点が魅力ですよね。これがSNSともなると入力に対して想定した強度を超えた反作用で結果が返ってくることもあり、それが面白さであり難点でもあると思います。

 

SFは私達に適度な強度の刺激を与えてくれます。SFを見る、または読む時、私達は現実から離れた別世界に連れ去られることを自らの意思で望み、SFの世界を積極的に受け入れる体勢を整えます。結果、SFは私達が用意した器の中でその容積を超えることなく過不足なく消化され、また私達もそれを望みます。現実とはかけ離れているはずのSF=空想科学の世界は容易に許容されてしまう訳です。

私はSFから、もっと許容し難いものが登場しても良いと考えています。容易に飲み込まれ消化されてしまうようなものだけではなく、拒否反応を催させ最後まで飲み込むことを許さないような異物としてのSFの形があっても良いような気がしているのです。

一方で、完全な意味で異物として存在できるSFなどないことも承知しています。

異物を生み出そうという狙いで作られた異物が完全な毒性を帯びることなどなく、また異物という立ち位置が持つ機能や存在価値が評価され分析されるに当たってもはやそれは異物ではなくなるからです。

私達の社会は、今や異物の存在を拒むほどに強力な消化能力を有するようになりました。それは大量消費社会に生きる人々の際限ない欲望がもたらした帰結だとも言えます。毒性の存在を許容しない別世界へと、私達の世界は変容してしまったのです。

 

容易に許容可能な別世界で生きる私達に、果たして何ができるのでしょうか。

 

 

 

 

 

お題から記事を書き始めたのですが、段々とSFに限定されない話題へ移ってしまいました。SFである必要性がないという点できちんとお題を消化できたとは言えませんね。